太陽光発電設備の認定とは?認定に必要な書類や申請方法などを解説

太陽光発電設備を設置するためには、経済産業省に事業計画の認定申請を行わなければいけません。設備認定手続きは、導入したい太陽光発電設備によっても異なります。認定の申請には多くの書類や情報が必要です。事業計画認定申請に必要な書類や手続きの流れ、申請するときに気をつけたいポイントについて詳しく解説します。

目次

太陽光発電設備の認定とは

太陽光発電設備の認定とは

太陽のエネルギーを利用して電気を作る太陽光発電設備。環境にも優しく持続可能な発電方法として、企業だけではなく一般家庭でも導入するケースが増えています。太陽光発電設備によって作られた電気が余った場合は、電力会社に買い取ってもらうこともできるため、光熱費を抑える効果も大いに期待できます。

太陽光発電設備を設置する際には、設備認定の手続きを行う必要があります。この認定制度は、2017年以前は太陽光発電設備の認定でしたが、2017年4月1日からは太陽光発電による事業計画の認定となりました。

旧FIT法

以前の太陽光発電設備の認定は、太陽光発電設備を導入しFIT法に基づいた固定買取制度で余った電力を売るためのものでした。

この設備認定は、太陽光発電設備が法令で定めた要件に適合しているかを経済産業省が確認し、設備認定を前提として電力会社と売電契約を結ぶための協議や締結を行うものです。

改正FIT法

2017年4月1日に改正FIT法が施行されました。この中で、設備認定は事業計画認定へと変更されています。旧FIT法では、太陽光発電設備が設備要件を満たしているかどうかや太陽光発電設備の効率などを審査していましたが、改正FIT法では太陽光発電設備で発電する事業計画の確実性を審査する認定に変わっています。

事業計画認定の申請方法

事業計画認定の申請方法

現在の改正FIT法による事業計画認定の申請を行う方法は、低圧の太陽光発電設備と高圧の太陽光発電設備で異なります。

低圧の太陽光発電設備は、全量買取制度が適用されず一般家庭向けとなっています。高圧の太陽光発電設備の場合は発電所とみなされるため、設備の管理や事業継続などが求められます。

家庭用の低圧太陽光発電設備でも、必ず事業として申請する必要があります。

低圧の太陽光発電

低圧の太陽光発電の申請は、オンラインによる申請が可能です。事業計画認定の申請を行う際には、接続同意書類を用意しなければいけません。これは、電力会社に接続の申し込みをすれば手に入ります。事業計画書と接続同意書類を用意して認定申請を行いましょう。

電力会社によって手続きの期限が異なるため、事業計画認定申請の期日に間に合うよう申し込んでください。

高圧の太陽光発電

高圧の太陽光発電は、基本的に産業用・事業用です。低圧の太陽光発電よりも多くの書類を用意しなければいけませんが、一般住宅でも高圧の太陽光発電を設置することは可能です。その場合、20年間の全量買取制度を活用できます。

申請に必要な書類

低圧の太陽光発電と高圧の太陽光発電の申請にそれぞれ必要な書類は以下の通りです。

低圧の太陽光発電
・土地の登記簿謄本など土地の取得を証明する書類
・建物の登記簿謄本など建物所有者の同意書類
・構造図や配線図
・電力会社の接続同意書類
・委任状や印鑑証明(代行事業者が申請する場合のみ)

高圧の太陽光発電
・設置者の戸籍謄本もしくは住民票
・申請者の印鑑証明
・建物所有者の同意書類
・土地の取得を証明する書類
・設備の仕様書など発電設備の内容証明書類
・構造図や配線図
・電力会社の接続同意書類
・事業体制を明確にするための書類
・関係法令手続状況報告書
・委任状(代行事業者が申請する場合のみ)

申請には多くの書類を揃える必要があります。事業者に相談しながら、期日に間に合うよう準備を進めましょう。

事業計画認定の申請の流れ

事業計画認定の申請の流れ

低圧の太陽光発電の事業計画認定をオンラインで申請するときの流れを詳しく説明します。

電子申請ページにログインする

太陽光発電の事業計画を申請する場合、まず経済産業省の資源エネルギー庁の「再生可能エネルギー電子申請」へアクセスします。こちらのページに新規登録します。

新規登録する際には、電力会社と契約した名義と登録する事業者名が一致している必要があります。登録が終わりログインできたら、必要な情報を入力します。

申請の入力は、太陽光発電設備の設置契約をしている事業者に代行してもらうこともできます。

情報を入力する

申請に必要な情報は以下の通りです。

・発電設備の区分と出力区分
・発電設備の出力
・給電用コンセントの有無
・パワーコンディショナーの出力数と自立運転の有無
・太陽光発電設備を設置する場所
・設置の形態
・太陽電池の型式やパネルの枚数、合計出力
・構造図、配線図の情報
・自家発電設備の有無
・電力会社へ供給する電力量計測の方法
・接続契約締結の情報
・設置工事の情報
・保守点検の情報

申請手続きでは、多くの項目を入力しなければいけません。必要な書類や情報を手元に用意しておくといいでしょう。

必要書類を添付する

必要事項を入力後に、それらの情報を証明するための書類を添付します。書類は設備の規模や設置場所、申請者によって異なります。あらかじめ準備しておきましょう。書類を添付する際は、PDFかZIPのファイル形式にします。

もしファイルの添付ができない場合は、紙面での提出も可能です。

承諾コードを入力する

太陽光発電設備を設置する事業者に申請の代行を依頼した場合、事業者に申請内容を確認するためのメールが送られてきます。メールに添付されている申請IDから内容をチェックし、問題がなければ承諾コードを入力して申請が完了します。

事業者のメールアドレスではなく委任状を添付して代行申請を行う場合は、確認メールは届きません。承諾コードを入力しないと審査は開始されないので、確認メールが届いたか必ずチェックしましょう。

事業計画認定の申請時のポイント

事業計画認定の申請時のポイント

事業計画認定を申請するときのポイントをお伝えします。多くの必要書類を準備しなければいけないため、不備があると認定されなかったり認定までに時間がかかったりします。申請全体の流れを把握し、入念に準備を行いましょう。

申請前に必要な情報を集めておく

事業計画認定を申請する前に、必要な書類や情報はすべて集めておきましょう。書類は手元に届くまでに時間を要するものもあります。早めに取りかかってください。

1つでも不備があると申請できません。用意するべきものはどれか不安な場合は、太陽光発電設備設置事業者に相談しながら準備するといいでしょう。

時間に余裕を持つ

経済産業省によると、事業計画認定を申請してから認定されるまでは、手続きや審査が複雑なため平均3か月ほどかかるといわれています。しかしそれ以上時間がかかる場合もあるので、申請は余裕を持って行いましょう。

FITによる買取単価は、年度ごとに変わります。そのため単価が下落する前に申請する人も多く、事業計画認定の申請は年度末に集中する傾向があります。

参考:固定価格買取制度> 新規認定申請|経済産業省-資源エネルギー庁
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/fit_nintei.html

複数申請はしない

広い敷地の中において、太陽光発電設備を分割して設置する形で、事業計画認定を複数申請するのはやめましょう。申請が通らない可能性があります。

場所が同じで申請者も同一の場合だけではなく、家族や従業員の名義を使って申請するケースでも認定されない場合があります。

維持費を抑えるために広い敷地内に複数の低圧設備を作る分割案件は禁止されていることを覚えておきましょう。

助成が受けられるか確認する

太陽光発電を設置するときに、地域によっては自治体の助成も受けられることがあります。東京都の場合、2020年5月時点で「東京ゼロエミ住宅導入促進事業」の一環で助成の申請を受け付けています。

地方自治体の助成金申請は、事業内容によって対象や条件が異なります。また、事業計画認申請と同時進行で進めなければいけないものもあるため、設置業者と話をしながら準備を進めてください。

参考:東京ゼロエミ住宅導入促進事業|東京都環境公社
https://www.tokyo-co2down.jp/subsidy/tokyo_zero_emission_house

太陽光発電設備の認定申請は事前準備を入念に

太陽光発電設備の認定申請は事前準備を入念に

太陽光発電設備を設置するためには、まず事業計画認定の申請を行わなければいけません。事業計画認定は、低圧か高圧かによって申請方法や必要書類が異なります。個人で申請はできますが、手続きが複雑なため設置業者に相談するか代行してもらうのもおすすめです。認定まで時間がかかるため、余裕を持って申請しましょう。

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