平面混構造の場合、部分的に混用される構造の剛性が大きく異なる場合には、剛性の低い構造の部分の地震力もすべて剛性の高い構造部分で負担できるように設計し、さらに剛性の低い部分を次のように一体ものと考えて設計する方法でも良いとされています。
目次
それぞれの構造が地震力を負担する場合
剛性の高い構造について、当該階全体に作用する地震力に対して、主体構造として適切な耐震設計ルートを選択し、それぞれの設計ルートで必要とされる計算を行うと共に、付随する構造(剛性の低い部分)については、一時設計の3倍以上の応力が部材の終局強度を超えないことを確かめる。この時剛性の低い部分に作用する応力を適切に計算する必要があり、構造全体をモデル化した立体解析を行うことが必要である。
片方の構造が地震力を負担しない場合
建物の入り口付近の庇を受ける鉄骨柱など、大スパンや片持ちとなる床版の一部を支える柱を別途設ける場合があります。このような柱は通常は長期荷重のみを負担しているものが多いが、支える部分に作用する地震力が周辺架構によって適切に分担できることや、必要に応じ突出部分としての検討も行った上で、柱については接合部も含めて大地震時に想定される架構の変形に追従し、構造耐力上の支障がなく荷重を支持できることを確認するなどの検討を行う必要があります。