太陽光発電設備の設置基準は?太陽光発電設備を選ぶ際のポイントも解説

太陽の光エネルギーを直接電気エネルギーに変換する「太陽光発電」。環境にも優しく、安全でクリーンなエネルギーとして注目を集めています。近頃、多くの場所で太陽光発電設備の導入が進んでおり、一般家庭でも身近なものになっています。

そのため、太陽光発電設備の導入を考えている人も多いのではないでしょうか。?しかし太陽光発電設備のですが、設置基準外であれば設置及び使用はできません。

そこで今回は、太陽光発電設備の基本の設置基準と太陽光発電設備を選ぶ際のポイントをくわしく解説していきます。

目次

太陽光発電設備の基礎知識

太陽光発電設備の基礎知識

太陽光発電とは、太陽光の日射を電気エネルギーに変換する発電方式です。太陽光発電はエネルギー密度が小さいため、太陽光パネルだけではわずかな電力しか取り出せません。また、太陽光を受けている瞬間しか発電できないため天気の良い時間帯しか発電できず、安定している電気とはいえません。ですが、パワーコンディショナーを経由することで、一定電圧出力の調整をし、電気を安定させられます。

太陽光発電は有害な排気ガスや二酸化炭素を排出しない環境に優しい発電設備なので、停電時などでも太陽光が得られれば発電できる点も魅力的なポイントです。

太陽光発電設備の設置基準

太陽光発電設備の設置基準

太陽光発電設備の「太陽光パネル」と「パワーコンディショナー」は、どんな場所にでも設置できるものではありません。さまざまな基準をクリアする必要があります。

ここからは、太陽光発電設備それぞれの設置基準を詳しく解説していきます。

太陽光パネル

太陽光パネルは屋根に設置し太陽の光をあてるため、自宅の屋根が基準を満たしているのかを確認する必要があります。太陽光パネルの正しい設置基準は以下の通りです。

築年数

太陽光パネルは、出力1kwにつき100kgの重さがあり、日本では出力換算で平均3kw〜5kwの太陽光パネルが設置されています。3kw〜5kwとは重さが300kg〜500kgになるので、この重さを十分に支えられる屋根でなければなりません。

また、1981年6月に建築基準法が改定され、新耐震基準が採用されています。それにより、1982年以降に建てられた家は十分な強度があります。一方、建築基準法が改定される前に建てられた家は、太陽光パネルの重みに耐えきれずに倒壊や破損の原因になることもあり得ます。

積雪

太陽光パネルの設置には、積雪の深さを表す「垂直積雪量」も重要です。
これは、国土交通大臣が定めた基準に基づき特定行政庁が規則を制定しているもので、全国各地で定められています。

積雪の多い地域では、雪の重みで太陽光パネルが破損したり、雪が積もっていると発電しなかったりする場合もあります。「垂直積雪量」の基準はさまざまで、例えば、垂直積雪量が200cm未満、100cm未満とメーカーによって設置基準が異なるので、多くのメーカーを比べて住んでいる地域に合っているのかを確認しましょう。

設置の高さ

太陽光パネルの高さと屋根の大きさとのバランスも重要です。

屋根の面積の分だけ太陽光パネルを設置できる訳ではなく、「最低離隔寸法」という、屋根の外周からどれくらい離して設置できるのかを定められた数値に合わせて設置する必要があります。また、この数値は太陽光パネルの設置高さによって決められるので、メーカーによって異なります。

例えば、太陽光パネルの高さの中心が13m以下の場合、屋根の外周から200mmを除く範囲が設置可能範囲となります。したがって、屋根の外周から200mm内側に太陽光パネルを設置しなければなりません。

基準風速とモジュール設置範囲

太陽光パネルは、屋根に設置するので雨風にさらされた状態です。

特に台風が多い地域では風の影響が大きくなるので、それぞれの地域で設けられている「基準風速」を参考に太陽光パネルが設置されます。「基準風速」とは、その地域が過去に最も大きな影響を受けた台風の最大風速に基づいて算出された風速のこと。50年に一度の大型台風が想定されており、市町村別に30m/秒から46m/秒までのデータがまとめられています。

太陽光パネル(モジュール)は、はみ出して設置してしまうなど少しでも最低離隔寸法を超えて設置してしまうと、風圧で太陽光パネルが飛ばされ屋根が壊れる危険性もあります。どれくらい設置できるかは、メーカーそれぞれのモジュール仕様によって決まります。

パワーコンディショナー

太陽光パネルで発電された電力を家庭で使用できるように変換するパワーコンディショナーですが、設置できる場所も限られます。正しい設置基準は以下の通りです。

基本の設置場所

直流を交流に変換するパワーコンディショナーは、変換の後、ブレーカーにつながり各部屋の電源として利用されます。パワーコンディショナーとブレーカーは離しての設置は禁止されていませんが、離してしまうと長いケーブルが必要になります。それにより、電気が無駄に使われたり、電圧が下がりすぎて電圧抑制が起きやすくなったりします。なので、パワーコンディショナーとブレーカーは、最短距離にすることが理想です。

大きさ

パワーコンディショナーは、屋内用と屋外用があります。住宅用のパワーコンディショナーは室内に設置するケースが一般的で、大きさは小型のエアコンほどのボックス型です。

運転時の排気や温度上昇を避けるため、上下左右に一定のスペースを確保しなければなりません。新築の場合はスペースの確保がしやすいですが、既存の建物に設置する場合はブレーカーの近くに設置できるスペースがないことがほとんどです。この場合、屋外用のパワーコンディショナーを選定することもあります。

パワーコンディショナーを運転中は、どうしても稼働音が出てしまいます。メーカーによっても異なりますが、40デシベルほどでエアコンの室外機程度の騒音レベルです。太陽光パネルは昼間にしか稼働せず、生活していてそれほど気になる音ではありませんが、人によっては不快に感じることもあります。

したがって、屋外用のパワーコンディショナーを設置する場合は、近隣への配慮が必要となります。また、塩害などの理由でエリアによっては設置ができない場合もあるので、事前に確認しておくことが大切です。

太陽光発電選びのポイント

太陽光発電選びのポイント

太陽光発電設備は、さまざまなメーカーで取り扱っているので自宅に合ったものはどれなのか、さらに、後から変更するのは難しい点も悩みどころです。

太陽光パネルやパワーコンディショナーの設置基準が満たしているのかはもちろん、補償期間や補償内容の確認も重要です。

また、「低価格」「品質」「コスパ」など、重視しているのは何なのかを明確にすることで、失敗しない太陽光発電設備の設置を実現できます。

まとめ

環境にも優しく安全な太陽光発電は、多くの場所で太陽光発電の導入が進んでおり、東京都では、新築住宅に太陽光パネル設置の義務化が始まろうとしています。ですが、設置基準を理解しないままでは、逆に出費が増えてしまうなど本末転倒の恐れもあります。

正しい設置基準をしっかりと理解し、お財布にも環境にも優しい快適な暮らしを手に入れましょう。

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