太陽光発電設備の容量とは?目安や発電量との違いを解説

太陽光発電設備の設置を検討するときには、発電量を把握しておく必要があります。どのくらいの容量があれば家庭での電気を賄えるのかを知ることで、発電量に必要なパネルの枚数や太陽光発電設備の予算の見積もりができます。

この記事では、太陽光発電設備の設置の容量と発電量の違い、容量の計算方法、太陽光発電設備を設置するときのポイントについて詳しく解説していきます。

目次

太陽光発電設備の容量について

太陽光発電設備の容量について

太陽光発電設備は、太陽の光をエネルギーに変換して電気を作るシステムです。どのくらいの電気を量産できるかは、パネルの枚数やパワーコンディショナーの容量によって決まります。

発電量は売電価格にも直結する問題なので、太陽光発電設備の導入を検討する場合は、発電量について詳しく知っておくと、予算や太陽光発電設備の規模を決めるときに役立ちます。太陽光発電設備の見積もりを取るときも、比較しやすいでしょう。

発電量とは

太陽光発電設備の発電量とは、太陽光発電設備が生産できる電気の量をいいます。数値は、kWhで表示されます。また発電量に似た言葉で、太陽光発電設備の容量があります。発電容量とは、太陽光発電設備がどれだけ発電できるかを表したもので、システム容量や出力容量ともいわれます。発電量はkWで表示されます。

発電容量は、太陽光パネルとパワーコンディショナーの最大の出力値で決まります。太陽光パネルかパワーコンディショナーのどちらか低い容量が、太陽光発電設備の発電容量になります。

容量と売電価格の関係

FIT制度を利用して太陽光発電設備を導入した場合、余った発電量を電力会社が買取ります。買取価格や売電期間は発電容量によって異なります。

住宅用の容量が10kW未満の太陽光発電設備の場合、売電単価は10年間一律21円です。産業用の容量が10kW以上50kW未満の太陽光発電設備なら、売電単価は20年間一律13円となります。住宅用か産業用かは、太陽光発電設備の容量の大きさで分けられます。

従って、自宅用で10kW以上の太陽光発電設備を設置した場合は産業用の区分になります。

発電量の計算法

発電量の計算法

太陽光発電設備の発電量や発電容量の計算方法を詳しく解説します。太陽光発電の最大容量を表す発電容量は正確な数値を出せますが、太陽光発電設備が発電する量の発電量については、設置する場所や、日当たり、天候などさまざまな条件によって変わります。

そのため、発電量には幅があると考えておきましょう。

発電容量=公称最大出力×設置枚数

発電容量は、公称最大出力に設置するパネルの枚数をかけて算出します。公称最大出力は、一定の条件で太陽光のパネル1枚あたりがどのくらいの発電をするかの値です。この数値が高ければ、パネル1枚の発電量が多いことになります。

一定の条件は、JIS C 8918:モジュール温度25℃、分光分布AM1.5、放射照度1,000W/平方メートルとなっています。パネルの変化効率にパネル1枚あたりの面積をかけると公称最大出力が分かります。選ぶパネルの種類によっても公称最大出力は変わってきます。

年間の発電量の求め方

次に、太陽光発電設備の年間の発電量の計算方法を紹介します。1日の発電量は、1日の平均日射量に発電容量と損失係数をかけて算出します。年間の発電量は、1日の平均日射量に発電容量、損失係数、さらに365をかけて1を足して計算します。損失係数とは、太陽光発電設備の発電量が低下する要因のことです。

平均日射量は、計算する太陽光発電設備が設置されている地域のものを使います。平均日射量の専用のサイトが役に立つでしょう。また平均日射量は季節によっても変わってくるため、年間通して同じ数値にはなりません。

太陽光発電設備のコストを回収する目安

太陽光発電設備を設置するときにかかったコストをどのくらいの年月で回収できるかも、おおよそ計算できます。余剰買取制度が適用される50kW未満の太陽光発電設備で考えてみましょう。

4kWの太陽光発電を約100万円で設置した場合、余剰電力を売電すると約10年で初期費用を回収できます。太陽光発電設備の発電容量が4kWより大きければ、初期費用の回収はもっと早くなります。

コストを回収してしまえば、その後はずっと黒字になります。

発電量が下がる原因

発電量を計算するときに、発電量が下がる要因を損失係数として数値化して差し引きますが、発電量が下がる原因はいくつかあります。

・太陽光パネルの汚れ
・経年による劣化
・25度以上の気温
・パワーコンディショナー変換ロス

汚れや劣化以外にも、あまりにも外気温が高すぎる地域や季節では太陽光パネルが持つ性能を十分に発揮できません。またパワーコンディショナーの回路や配線などの変換ロスは、メーカーによって差があります。

一般家庭の太陽光発電設備の容量の目安

一般家庭の太陽光発電設備の容量の目安

一般的な家庭で使う電力はどのくらいでしょうか、家庭で必要な電力を太陽光発電設備で作り出し、家庭内で使えれば光熱費はかなり抑えられます。持続可能な太陽エネルギーを使うので、エコともいえるでしょう。

余った場合は電力会社に売れますが、電力の買取単価は、20円以下が相場です。また固定価格の買取制度は10年までで、10年を過ぎると買取単価はさらに安くなります。

売電はあまり考慮せず、太陽光発電設備で蓄えた電力を家庭内で使い切り、なるべく電力会社から電気を買わないようにするのがベストです。

家庭用電気を賄える量は

家族が3~5人程度の家庭で太陽光発電設備を使って電力を賄う場合、約35坪~40坪ぐらいの家ならば5kWの容量があればいいでしょう。4人家族が使用する電気使用量は1日に13~18.5kWhが目安です。5kWの太陽光発電設備を設置すれば、1日で20kWh程度の発電量が見込めます。

日中に在宅者が1人の場合、日中に使う電気は約5kWhです。1日の発電量の余剰分15kWhを蓄電池充電などに回せば、電力会社からそれほど電気を買わずに賄えます。

使用電力を分析するならスマートメーター

家庭で消費する電力使用量を正確に把握できれば、より最適な規模の太陽光発電設備を設置できます。初期のコストを抑え、極力電力会社から電力を購入せずに、発電した電力を使って賄えるでしょう。

電力使用量を計算する場合は通信型の電気検針メーター、スマートメーターが便利です。スマートメーターは、30分ごとに使用する電力を測っています。自宅にスマートメーターが設置されていれば、現在利用している電力会社へ問い合わせて1日の平均電力使用量、日中・夜間・深夜の電力使用量などを確認できます。

太陽光発電設備の導入を検討するときのポイント

太陽光発電設備の導入を検討するときのポイント

太陽光発電設備の導入を検討しているときに、抑えておきたいポイントをお伝えします。せっかく太陽光発電設備を設置するならば、家庭で使用する電力が賄える規模のものを購入したいと考えますが、自由に太陽光発電設備を設置できるわけではありません。

設置できる面積

太陽光発電設備を設置したい場所の面積を計算しましょう。自宅用の場合、一般的に屋根の上に太陽光発電設備を取り付けます。接地面積を測り、どのくらいの発電容量まで設置可能かを把握してください。

予算

太陽光発電設備の発電容量が大きくなるほど、費用も高くなっていきます。太陽光発電設備の予算と必要な発電容量にかかる費用を比較して、適切な規模の太陽光発電設備を選びましょう。

発電容量が大きいと1kWあたりの設置費用は安くなります。予算内で対比用効果を考えるなら、なるべく容量の大きい太陽光発電設備を選ぶといいでしょう。

自宅で使う電力や太陽光発電設備の容量などは、個人で正確に把握するのが難しい場合もあります。複数の業者に見積もりを取って詳しい話を聞いて検討するのもおすすめです。

太陽光発電設備の設置を検討するなら容量も計算しておこう

太陽光発電設備の設置を検討するなら容量も計算しておこう

太陽光発電設備の設置を検討するなら、予算だけではなく太陽光発電設備の発電量や発電容量も知っておくと便利です。設置できる面積と発電容量、コスト計算してみましょう。

発電容量や家庭で必要な電力の計算などが難しい場合は、業者に見積もりを取るときにプロに詳しく話を聞いてみてください。太陽光パネルの種類や設置する場所の条件、地域などによっても発電容量は変わってくるので、なるべく詳しい数値を把握できると適切な太陽光発電設備を選べます。

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