一貫計算プログラム「SEIN La CREA」における乾式壁の合理的な荷重の入力方法について

通常の方法としては、線荷重として壁の下部と上部に単位面積あたりの壁荷重(kN/㎡)に壁の支配高さ(m)を乗じた値を入力する形になります。しかし立面構成が複雑な建物や、屋根が斜めになっている建物の場合は荷重の設定と入力が非常に面倒となります。ここでは乾式壁の合理的な荷重の入力方法について解説します。

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厚さ0の非構造壁として配置する

結論から述べますと、乾式壁の荷重は厚さ0の非構造壁として該当部分に入力する形を推奨します。一般的には外壁や耐火要求がある壁の方が荷重は大きいのでこれらの壁を「wall1」、内壁や全面ガラスサッシのような重量が軽い外壁を「wall2」として割り当てる形となります。
建物DB->配置部材->壁とし、「仕上げ仕様」の項目について該当する荷重値を割り振れば壁符号に応じて荷重値を割り振ることができます。

設定における注意点

厚さ0の非構造壁として配置する上でいくつか注意点がありますのでこれについて解説します。

常時荷重は下部へ100%、地震時荷重は下部へ50%・上部へ50%の設定とする

計算モード->静的荷重条件->常時荷重->計算条件の中で、常時荷重は下部へ100%、地震時荷重は下部へ50%・上部へ50%の設定とします。


非構造壁の直下に梁がない場合はダミー材を入力する

非構造壁の直下に梁がない場合は、前述の常時荷重は下部へ100%の設定をしたとしても、常時において上部の近傍の梁へ50%、下部の近傍の梁へ50%荷重が作用してしまいます。従って屋根において壁荷重の一部を負担してしまうため、壁荷重がかからない場合であっても応力が大きくなってしまうことが起こります。
それを回避するには直下に梁がない場合には以下の図のように小梁としてダミー材を入れる必要があります。

まとめ

一貫計算プログラム「SEIN La CREA」において、乾式壁の荷重を入力する場合は線荷重として入力するのではなく、厚さ0の非構造壁として入力した方が合理的です。その上で常時荷重は下部へ100%、地震時荷重は下部へ50%・上部へ50%の設定とし、直下に梁がない場合はダミー材を入れる必要があります。このような形で荷重入力は正しく迅速に行うことが重要です。

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