コールドジョイントとは?防止対策と補修要領についても解説

コールドジョイントとは、「先に打ち込んだコンクリートと後から打ち込んだコンクリートとの間が完全に一体化していない継目」とJISでは定義されており、計画された打ち継ぎレベルとは異なる高さにおいて、打ち重ね部分に不連続な面が形成されることを言います。

目次

コールドジョイントの防止対策

コールドジョイントの防止対策としては「打ち重ね時間の短縮」や「適切な打設」などが考えられます。ここでは施工計画の工夫・凝結時間の調整・打重ね時間間隔の遵守について説明します。

防止対策1:適切な打設を行う

一般的に規定されている適切なコンクリートの打設を行うことは、そのままコールドジョイントの防止対策にも繋がります。
コンクリート打設の際に、バイブレーターで適度の振動を与えることにより、内部の気泡を除去しコンクリートの密度を高めることができます。ただし振動を1箇所に長くかけすぎるとコンクリートは分離してしまいます。その時間はコンクリートの種類やスランプによって異なるので、コンクリートの状態を観察しながら加振するように管理する必要があります。一般に振動時間は打ち込まれたコンクリート面がほぼ水平となり、コンクリート表面にセメントペーストが浮き上がる時をもって標準とし、コンクリートに穴を残さないようにゆっくりと振動機を引き抜くようにします。振動によって水が過度に浮き上がってくる場合は振動量(振動間隔、時間)を減らすよりもスランプを小さくするようにコンクリートの調合を変えるべきです。
コンクリートの打ち込み高さは、内部振動機の一般的な高さである60~80cm程度以下とする必要があります。また振動機の先端は、先に打ち込んだコンクリートの層に約10cmの深さまで挿入します。振動機の挿入間隔は50~60cmを標準としますが、公称棒径45mm未満の内部振動機の場合は挿入間隔を小さくします。

防止対策2:凝結時間の調整をする

コンクリートの凝結時間は、「遅延型混和剤」、「遅延剤」、「超遅延剤」などを使用することで、凝結時間を遅らせることが可能です。また混和剤の添加率を調整することによって、凝結時間をコントロールすることもできます。

ただしこのような方法で凝結時間を遅らせた場合は、「仕上がり時間の遅れ」や「型枠の脱型時期の遅れ」、「型枠の側圧が強くなる」などのリスクもあるので注意が必要です。

防止対策3:打ち重ね時間間隔を遵守する

打ち込み継続中における打ち重ね時間間隔の限度は25℃未満の場合で150分、25℃以上では120分が目安になります。
ただ実際の施工現場においては、部材の寸法、コンクリート温度、配合条件、締め固め、養生条件、日照時間、風の強弱、日射条件、運搬時間などの違いによって、コンクリートの打ち重ね面の状態も異なります。
従って打ち重ね許容時間を設定する場合は、上記よりも余裕を持った時間とすることが望ましいと言えます。

コールドジョイントの補修要領

コンクリートの打ち重ね線が縁切れしている場合は補修が必要です。
外部面は以下の手順により行います
-縁切れ部表面を深さ10~20mm程度にUカット
-表面から3~4mm程度引っ込めて弾性シーリング材を充填
-シーリング材表面に珪砂を散布
-ポリマーセメントモルタルをコンクリート表面まで充填

内部面は0.3mm以上の隙間についてエポキシ樹脂により閉塞します。

打ち重ねの上部にジャンカがある場合はジャンカの判断基準に従い補修を行います。
[参考記事]ジャンカの適切な補修方法について

まとめ

コールドジョイントの定義、防止対策、補修要領について解説しました。
コールドジョイントが発生する原因を理解した上で適切な施工計画を立てることが重要です。

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